古舘さん降板「なぜ」広がる驚き 局の姿勢に疑問も

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 名キャスターとされた久米宏さんの後を受けて11年8カ月余り。テレビ朝日の夜の看板報道番組「報道ステーション」の古舘伊知郎キャスターの来年春での退任が24日、明らかになった。放送に詳しい人たちは、年内最後の放送翌日に飛び込んだ突然の降板話に首をひねった。

 元テレビ朝日記者で「放送レポート」編集長の岩崎貞明さんは「知らなかった」と驚きながら「番組のニュース報道が大きく変わるわけではないのではないか。局のスタッフもいるし、同じ時間帯にほかの報道番組はないのだから」と冷静に受け止める。

 古舘さんについては「スタッフの挑戦的な企画の背中を押してきた。昨夜の天皇誕生日でも、沖縄との関係を取り上げた特色のある番組を作った。来春で12年になるなら、途中降板という印象もない」と評価した。

 今年3月、コメンテーターとして出演していた元経済産業官僚の古賀茂明さんが生放送中に政権からの圧力について触れ、騒動になった。岩崎さんは背景は分からないとしながらも「それから1年でやめるのだから、この問題との関連性が指摘されても仕方がない」と話した。

 服部孝章・立教大名誉教授(メディア法)は「なぜやめるのか合点がいかない。古賀さんの問題や政権との関係について、テレビ局として毅然(きぜん)たる対応がないままずるずる来ている」と局の姿勢に疑問を示した。「出演しているコメンテーターには政権に厳しい発言をする人もいるが、古舘さんの降板で番組の方向性が変わらないか心配だ。テレビジャーナリズムへの期待をこれ以上失わせないでもらいたい」と注文を付けた。【青島顕】